珪藻土とは?
珪藻土とは、植物性プランクトン(藻)が化石化したもの
です。
昔から火に強い土として、七輪、耐火耐熱レンガの原料
として使用されてきました。主成分はガラスと同じ珪酸質
(SiO2)で、平均粒径0.05mmの土に無数の孔が
開いている超多孔質です。
「呼吸性」という最大の特性と共に、様々な複合効果を発揮します。
また、独特のコテ仕上げがデザイン的にも注目を集めています。
珪藻土の特徴
◆吸・放湿性
珪藻土を塗った壁自身が呼吸します。
吸湿、放湿を繰り返しながら部屋の中を最適な湿度に調節します。
◆吸着性
珪藻土は、ペットやタバコの臭い、また、キッチンから出る調理臭まで臭いを
吸着します。
タバコのヤニもつきません。
◆防カビ・防虫性
珪藻土は壁の結露を防ぎ、結露に起因するカビ、ダニの発生を抑制します。
◆吸音・遮音性
珪藻土の無数の気孔が音を吸収し防音効果があります。
◆断熱性
熱を伝えにくく、外気温に影響されにくい室内環境が得られます。
◆耐火性
珪藻土の主成分(SiO2)は断熱効果・耐火能力に優れています。
日吉プラスの推奨する珪藻土建材
日吉プラスでは、様々な珪藻土メーカーの
珪藻土を比較検討し、お客様に合った珪藻土を使いますが、
「自然素材の住空間を追求する」という
コンセプトのもと、サメジマコーポレーションの珪藻土建材「リターナブル
パウダー」を推奨します。
なぜサメジマコーポレーションの
珪藻土がおすすめなのか、理由は以下の通りです。
◆珪藻土のメーカーは約30社あり、それぞれ珪藻土の含有量に違いがあります。
珪藻土建材のメーカーは約30社ほどありますが、各メーカーによって特徴が異なります。
共通して言えるのは、
どのメーカーの珪藻土建材も成分組成が珪藻土のみではないという
ことです。
珪藻土単体では、壁や天井に塗ることは出来ません。そのため、壁との付着をよくするために樹脂をはじめとしたつなぎの増粘剤も構成材料に必ず含まれています。
各メーカーの方向性(自然素材、施工性、コスト・・・)などにより大きく成分組成が異なります。
よって我々(施工業者・施主)は、珪藻土建材の成分組成をも把握した上で、材料を選定
しなければ、本物の健康住宅を手に入れることはできません。
◆成分組成について
珪藻土建材の成分組成については、具体的には主に下記のようなものがあります。
☆ 珪藻土(等の高機能調湿原料)
☆ 樹脂又は増粘剤
☆ 色又は顔料
☆ 骨材
☆ スサ
ここで重要なことは、
珪藻土の含有率と樹脂又は増粘剤の成分です。
特に、塗布面との付着のために使用される樹脂又は増粘剤には、揮発性有機化合物が
含まれているものが多く見られます。
また、樹脂は、珪藻土の最大の特徴である「孔」を塞いでしまいます。
◆メーカーごとの珪藻土建材成分比較表
実際に代表メーカー3社の成分表を比較検討してみましょう。
☆ A:サメジマコーポレーション珪藻土建材「リターナブルパウダー」
☆ B:S社 珪藻土建材
☆ C:F社 珪藻土建材
A:サメジマコーポレーション リターナルパウダー成分表
構成
原材料名 | 高機能
調湿原料
珪藻土 | 高機能
調湿原料
火山灰・粘土 | でんぷん糊
メチルセルロース | セルロース
ファイバー | 色・土
無機顔料 | 軽量骨材 |
配合率
(%) | 57 | 23 | 2 | 3 | 5 | 10 |
B:S社 珪藻土建材 成分表
構成
原材料名 | 高機能
調湿原料
珪藻土 | 酢酸ビニル系
再乳化系
粉末樹脂 | 無機質骨材
炭酸カルシウム | 繊維
(パルプ) | 無機質顔料
酸化チタン
酸化鉄 | 他添加剤等 |
配合率
(%) | 23 | 7 | 65 | 2 | 1 | 2 |
C:F社 珪藻土建材 成分表
構成
原材料名 | 珪藻土 | セビオライト | アクリル樹脂
エマルジョン | 粉末有機及び
無機充填材
無機補助骨材 | ワラ又は
スサ | 液体顔料 | 他添加物 |
配合率
(%) | 7 | 2 | 11 | 75 | 2 | 1 | 2 |
◆考察
比較検討結果、3社の建材はどちらが良い悪いというわけはなく、それぞれの方向性が異なるということです。
また、実際にメーカーにも直接話をして聞いたことも踏まえて、それぞれの特性を下記に
記します。
Aについては、あくまで
「自然素材」を追及しています。
増粘剤・顔料についても、できる限り
自然素材を使用することにより「
珪藻土」本来の調湿機能が最大限に発揮されています。
その分、接着力の強い樹脂を使用していないこともあり施工的、技術的に難しい一面も
あるようです。
Bについては、
自然素材も含まれていますが、
珪藻土の含有率が決して高いわけでは
ありません。
増粘剤に樹脂を使用しているなどの面から、
自然素材を追及しているというよりも、
自然素材・施工性・コストの面において平均的な建材といえます。
そのため、
珪藻土の調湿機能も決してして優れているというわけではありません。
また、酢酸ビニル系樹脂が含まれているという時点で揮発性有機化合物が発生する可能性もあります。
Cについては、
珪藻土の含有率は最も低く、増粘剤にアクリル樹脂エマルジョンである樹脂成分を使用しています。
自然素材という面からは、A・Bに比べ劣りますが、
施工性は最も良い、施工しやすいと
言われています。